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製造方法とCO2削減効果


高炉セメントと普通セメントの製造比較

セメント1トン当たりのCO2排出量

高炉セメントの種類

セメント用鉄鋼スラグ製品動画

高炉セメントパンフレット

「週刊新潮」に高炉セメントに関する対談記事が掲載されました。

「日経コンストラクション」に高炉セメントに関する利用事例が掲載されました。

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温暖化対策


地球温暖化対策推進法に基づき策定された京都議定書目標達成計画及び後に策定された地球温暖化対策計画には一貫して、「非エネルギー起源二酸化炭素」の削減対策として「混合セメントの利用拡大」が織り込まれています。2030年度温室効果ガス削減目標(2013年度比▼46%)を受け同計画は改定されましたが、同様の内容が記載されています(2021年10月22日閣議決定)。


●地球温暖化対策計画より抜粋
セメントの中間製品であるクリンカに高炉スラグ等を混合したセメントの生産割合・利用を拡大する。
また、グリーン購入法に基づく率先利用の推進により、国などが行う公共工事において混合セメントの率先利用を図る等、混合セメントの利用を促進する。

環境省ホームページ参照

最近では、日本で生産される混合セメントのほとんどが高炉セメントですので、計画実現には高炉セメントの利用拡大が不可欠です。(右図参照)
各セメントの国内販売比率(2020年度実績)

「混合セメントの普及拡大方策に関する検討」経済産業省報告書(2016年3月)


高炉セメントの生産量は、ここ数年横ばいが続いています。経済産業省では、高炉セメントに代表される混合セメントの普及拡大に向けた次の4つの方向性を示し、2030年までのロードマップを提供する報告書を取りまとめました。要点は次の通りです。

  • 混合セメント利用の普及・啓発
  • 混合セメントの環境価値を評価する仕組みづくり
  • 供給側が混合セメントを供給しやすい環境づくり
  • 混合セメント利用の普及拡大に向けた基盤整備

経済産業省−混合セメントの普及拡大方策に関する検討−報告書


高炉セメントによるCO2削減効果(年間推計値との比較)


高炉セメントによるCO2削減効果(年間推計値との比較)

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特長・基本的性質


1.地球環境への貢献


省資源・省エネルギー


高炉セメント使用による環境負荷低減

  • 地球温暖化防止(CO2削減)に大きく貢献
  • グリーン購入法特定調達品目指定
  • エコまち法:低炭素建築物認定の選択対策対象
  • 国土交通省「公共建築工事標準仕様書」:場所打ちコンクリート杭のセメントは高炉セメントB種が標準
  • CASBEEでは、高炉セメント使用により環境ポイント
  • 日本建築学会「高炉セメントまたは高炉スラグ微粉末を用いた鉄筋コンクリート造建築物の設計・施工指針(案)・同解説」を発刊(以下、高炉セメント指針)

CO2排出削減 約42%


CO2排出削減 約42%

2.高炉セメントコンクリートの基本的性質


強度発現性


強度発現性


強度の温度依存性


日本建築学会
計画供用期間65年の場合のせき板の存置期間
強度の温度依存性

  • 高炉セメントは初期材齢の強度発現性がやや遅い
    初期(材齢3,7日)強度は普通ポルトランドセメントの約75%
  • 材齢28日の強度は同程度になる
  • 長期材齢では普通ポルトランドセメントより強度は高くなる


冬季に高炉セメントを施工する場合の注意事項

  • 反応遅延で強度発現低下
  • コンクリートの凝結が遅延
  • 初期養生厳守が重要
  • 保温養生や給熱養生の実施

  • 長期材齢設計によりセメント量を削減できる

  • 温度・養生の影響度は普通ポルトランドセメントより大きい

3.高炉セメントを利用することによる利点 −耐久性能−


塩分遮蔽効果


高炉セメントの塩分遮蔽性能(EPMA写真)
海洋飛沫帯3年暴露供試体への塩分浸透状況
水セメント比=50%
白い部分:塩素イオンが浸透

塩分遮蔽効果


アルカリシリカ(ASR)反応抵抗性


高炉セメントのASR抑制効果
アルカリシリカ(ASR)反応抵抗性

  • 塩害抵抗性が向上
    (海岸や積雪寒冷地凍結防止剤の塩害対策に有効)


  • 高炉セメントの使用はASR抑制対策
    (国土交通省の通達に反映)

化学抵抗性


化学抵抗性

  • 酸や硫酸塩への抵抗性が高い(下水道や温泉地の使用に有効)

一般環境における耐久性




水セメント比と耐用年数100年のかぶりの関係

水セメント比と耐用年数100年のかぶりの関係

※土木学会 2017年制定コンクリート標準示方書改訂資料より、作図

コンクリートの耐久設計基準強度

コンクリートの耐久設計基準強度

  • 日本建築学会・高炉セメント指針では高炉セメントの耐久設計基準強度は、普通ポルトランドセメントと同じ値を定めている
  • 住宅の品質確保の促進に関する法律の住宅性能表示制度に対して、鐵鋼スラグ協会では国土交通大臣の特別評価方法の認定を取得しているので、ご活用ください

4.発熱特性と収縮特性


発熱特性


発熱特性

  • 高炉セメントは初期発熱速度は緩やかで、マスコンの温度ひび割れ抑制の効果がある
  • 材齢経過に伴い蓄積発熱も増大し、終局断熱温度上昇量は、普通ポルトランドセメントとほぼ同程度である
  • 鐵鋼スラグ協会加盟会社では、低発熱型高炉セメントを上市している

収縮特性


収縮特性

  • コンクリート乾燥収縮量はセメントによる違いは無い
  • セメント種に比べ、骨材岩種による差の方が大きい

5.その他の特長


養生


高炉セメントは水和速度が遅く強度発現が遅延するため、コンクリートの養生期間を延長するとともに、養生を入念に行う必要がある。

養生

地盤改良材


高炉セメントが適用可能な土質は、砂質土、粘性土、シルト質土等の一般軟弱土がある。
還元雰囲気で製造される高炉スラグにはCr6+を含まないことから、高炉セメントはCr6+含有量が少なく、改良土からの溶出量は少ない。

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歴史


高炉セメントのあゆみ


高炉セメントのあゆみ

高炉セメント 百年史(平成22年)

全国のセメント生産量と高炉セメント比率の推移


全国のセメント生産量と高炉セメント比率の推移

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土木構造物


土木分野における高炉セメントの特性を利用した新たな取り組みについて


@土木工事における高炉セメントの使用事例
高炉セメントは、1)耐海水性や化学抵抗性が大きく、塩化物イオンの拡散係数が小さい、2)アルカリシリカ反応の抑制効果がある、といった特長があるため、様々な自然環境に直接、暴露される土木構造物に多用されてきました。
一般的に、発注する官公庁の共通仕様書・特記仕様書等では、セメントの特性やコンクリートの要求性能を考慮し、以下のような使い分けがされています。

セメント種類別適用工種の例

A土木学会コンクリート標準示方書(設計編)の耐久性確保に関する新たな取り組み
2017年に改定された設計編では、「2章.耐久設計の基本」が新たに導入され、耐久性の確保には、適切な材料を選定する事の重要性が示されました。

2章 耐久設計の基本

  • 構造物の重要度、維持管理区分を考慮し、ライフサイクルコストの観点から経済性を考慮して、耐久性を満足するように設計しなければならない。
  • 設計において、構造物が置かれる環境、施工条件、使用材料を十分に把握しなければならない。
  • 設計において、構造物の耐久性を満足する使用材料の特性と構造詳細を定めなければならない。
  • 環境作用に応じた適切な材料を選定し、耐久性確保のため確実な施工が行えるように配慮しながら、設計しなければならない。
  • 設計において、設計段階で想定する維持管理計画を策定し、維持管理作業に引継ぐのが良い。

B東北地方整備局におけるRC床板への高炉セメント活用事例
こうした取り組みを受け、橋梁上部工に高炉セメントを適用した事例を紹介します。上記適用工種の表に示す様に、これまで橋梁上部工の施工は、初期強度発現の観点から普通セメントや早強セメントの使用が一般的でした。
一方、東北地方整備局では凍結防止材散布による塩害で床版の早期劣化が顕在化していたことから、各種施工試験を重ね「東北地方におけるRC床版の耐久性確保の手引き(案)」を制定しました。ここでは、塩害やアリカリ骨材反応抑制の観点から混合セメントの活用に加え、以下の配合条件を採用することで、寒冷地における高耐久性RC床板の施工を実現しています。

配合条件)
  • 凍害対策ではAE剤を用いて、凍害に有効なエントレインドエアを確保するものとし、融雪剤の散布量に応じて空気量を4.5〜6.0%の範囲で調整する。
  • 塩分環境下のASRを防止するため、高炉セメントB種、または普通セメントにフライッシュを混入したものを用いなければならない。なお、フライアッシュを混入する場合は、セメント量一定のもと、20%程度の混和材として 使用することを基本とする。
  • 床版コンクリートの緻密性を確保するため、水結合材比(W/B)を45%程度とする。
  • 床版のひび割れ抑制対策として膨張材を用いることを標準とする。

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建築物


建築分野での高炉セメントの使用実績


従来から土木工事の多くに高炉セメントが使われてきましたが、最近ではCO2削減効果に着目し、建築の使用実績が増えています。加えて、建築物環境計画書制度を導入した東京都やCASBEE(建築環境総合性能評価システム)を導入した自治体(全国25自治体)では、建築物の環境配慮を評価して、一定レベル以上の評価ポイントとなった建築物を行政面で優遇する制度を有するところがあり、高炉セメントの使用は重要な評価ポイントとなっています。東京都建築物環境計画書制度で公表されている3,582件の建築物件中920件(26%)で高炉セメントが使用されています(2022年4月、当協会調べ)。
2013年に施行された「エコまち法(都市の低炭素化の促進に関する法律)」の低炭素建築物認定基準の中に、高炉セメント使用が加えられています。

東京都内の建築における高炉セメントの使用状況 (PDF:759KB)

建築物への高炉セメントの利用

高炉セメントB種の特別評価方法

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学協会関連指針


指針類
2016 土木研究所:「低炭素型セメント結合材を用いたコンクリート構造物の設計・施工ガイドライン(案)」刊行
日本建設業連合会:パンフレット「低炭素型コンクリートの普及拡大に向けて」を刊行。加盟各社の混和材を有効使用したコンクリートの研究開発や施工事例を紹介
2017 日本建築学会:「高炉セメントまたは高炉スラグ微粉末を用いた鉄筋コンクリート造構造物の調合設計・施工指針(案)・同解説」発刊
2018 土木学会:「高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの設計・施工指針」を発刊
土木学会:「混和材を大量に使用したコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」を発刊

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発刊物・記事・動画


鐵鋼スラグ協会関連


パンフレット 高炉セメント (PDF:3.4MB)
低発熱型高炉セメント (PDF:1.31MB)
高炉スラグ微粉末 (PDF:873KB)
建築物への高炉セメントの利用 (PDF:1.58MB)
冊子 鉄鋼スラグの高炉セメントへの利用 (PDF:11.7MB)
高炉セメント百年史 (PDF:4.43MB)
記事 高炉セメントに関する対談記事(週刊新潮2021.3.11号)
高炉セメントに関する利用事例(日経コンストラクション2022.2.28号)
高炉セメントに関する利用事例(日経コンストラクション2022.3.14号)
高炉セメントに関する利用事例(日経コンストラクション2022.3.28号)
高炉セメントに関する利用事例(日経コンストラクション2023.7.20号)
動画 セメント用鉄鋼スラグ製品動画

学協会関連指針


土木研究所 「低炭素型セメント結合材を用いたコンクリート構造物の設計・施工ガイドライン(案)」
日本建設業連合会 パンフレット「低炭素型コンクリートの普及拡大に向けて」
日本建築学会 「高炉セメントまたは高炉クラグ微粉末を用いた鉄筋コンクリート造構造物の調合設計・施工指針(案)・同解説」
土木学会 「高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの設計・施工指針」
「混和材を大量に使用したコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」

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