鉄鋼スラグ製品は、1979年に物理的性状を中心とした道路用JIS が制定され、それ以降も種々の土木材料としての製品規格が策定され、土木資材として使用されてきた。一方、環境安全品質についてはその規格化が遅れていたが、環境安全品質試験方法として「スラグ類の化学物質試験方法(JIS K 0058-1,2)」が2005年に制定されたことを受け、鐵鋼スラグ協会では、鉄鋼スラグ製品のJIS規格への環境安全品質の織り込みに取り組んでいる。鉄鋼スラグ製品の環境安全品質は、製品使用時の暴露環境を考慮して、その環境における土壌、地下水、海水等が環境基準等を満足するよう規定するものである。
「道路用鉄鋼スラグ(JIS A 5015)」および「コンクリート用スラグ骨材(JIS A 5011-1,-4)」のJIS 規格は、2013年の改正において、環境安全品質の織り込みが終了した。さらに、2015年1月に改正した「鉄鋼スラグ製品の管理に関するガイドライン」において、使用場所・用途に応じて適用する環境安全品質をより明確にして整理している。